



予告動画


イントロダクション

社会に向けて強い信念で声をあげたかと思えば、そばに集う人びとの言葉に優しく頷き、ユーモア交じりに語らい合う。くるくると豊かに変わる表情。
1956年福島生まれの遊歩(ゆうほ)さん。幼いころから学びを諦めさせられ、障がいや性別によって差別し、排除しようとする社会に憤りを抱えてきた。ずっと自分の居場所を探していた。そんななか繋がった「福島県青い芝の会」、米国留学で出逢った自立生活運動、そしてフェミニズム。
それらのすべてを糧に日本初の自立生活センターの設立に尽力し、国際会議に参加、優生保護法を変えるきっかけにもなった。そして奇跡だと感じた妊娠、出産。
――叶わぬ夢や恋で絶望することもあった。それでも今はっきりと言える。「私は私が一番いい。あなたはあなたで一番いい」。

遊歩さんの言葉に、身体にエンパワーメントされた淺野由美子による監督デビュー作。『どうすればよかったか?』(24)で併走した藤野知明が撮影・編集・プロデューサーを務め、二人三脚で作品を作り上げた。
カメラは、車椅子でぐんぐん進んでいく遊歩さんを追いながら、彼女のパワーの源とその想いを受け止めてきた人びとも映し出す。激しくぶつかり合う姉と父親の間で揺れ動いてきた妹の愛子さん。同じ特徴を持って生まれ、海外で障がいのある人の権利向上を図る研究所に勤めながら大学院にも通う娘の宇宙(うみ)さん。そして、自由な関係を築きながら日々をともにする若い介助者たち。
――
私たちはひとりでは生きていけない。誰もが、誰かと支えあいながら生きている。遊歩さんの軌跡を辿っていくと、私たちも一緒に、これからどこまでも行けそうな気がする。
メッセージ
出演者
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安積遊歩(あさか・ゆうほ)
1956年、福島県福島市生まれ。骨が弱いという特徴を持って生まれた。22歳のときに親元から自立。アメリカのバークレー自立生活センターで研修後、ピアカウンセリングを日本に紹介する活動を開始。1996年に40歳で娘を出産。優性思想の撤廃や、子育て、障碍を持つ人の自立生活運動など、さまざまな分野で当事者として発言を続ける。著書に『癒しのセクシー・トリップ』『車イスからの宣戦布告』(以上、太郎次郎社)、『いのちに贈る超自立論』(太郎次郎社エディタス)、『自分がきらいなあなたへ』(ミツイパブリッシング)、『このからだが平和をつくる』(大月書店)、共著に『生の技法[第3版]』(生活書院)、『多様性のレッスン』(ミツイパブリッシング)等がある。 -
©和田雄輝安積宇宙(あさか・うみ)
1996年、東京都生まれ。ニュージーランド在住。母のからだの特徴を受け継ぎ、生まれつき骨が弱く車いすを使って生活する。オタゴ大学社会福祉士学部卒業。大学在学中の2018年に若者発展省から「共生と多様性賞」を受賞。現在は障碍分野を専門とするドナルド・ビーズリー研究所で研究員として働く。著書に『宇宙のニュージーランド日記』、母・安積遊歩との共著に『多様性のレッスン』(以上、ミツイパブリッシング)。
スタッフ
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監督・撮影
北海道生まれ。元々は単なる映画ファンだったが、藤野知明とうっかり知り合ったことにより、沼へ。2013年、藤野知明と「動画工房ぞうしま」を設立。ジンバブエの音楽とダンスのグループのDVD『JENAGURU/HOSO』(14)、『ジャナグル LIVE in JAPAN』(14)ほかを制作・撮影。藤野知明監督『八十五年ぶりの帰還 アイヌ遺骨 杵臼コタンへ』(17)、『とりもどす』(19)、『カムイチェㇷ゚ サケ漁と先住権』(20)、『アイヌプリ埋葬・二〇一九・トエペッコタン』(21)、『どうすればよかったか?』(24)で、制作・撮影・編集を担当。25年に沖縄環太平洋国際映画祭で上映されたバージョンに再編集を加えた本作『遊歩 ノーボーダー』は初監督作品であり、「動画工房ぞうしま」としては劇場公開2作目となる。
淺野由美子(あさの・ゆみこ)
また、版画家・画家として個展を中心に作品を発表している。版画集に『日よ日よ紅え日よ:金素雲訳編「朝鮮童謡選」「朝鮮民謡選」より』(かりん舎/06)、『般若心経:淺野由美子木版画集』(かりん舎/08・24)。挿絵に『ギルガメシュ王のものがたり』(森の文化フォーラム/08)などがある。 -

制作・撮影・編集
1966年、北海道札幌市生まれ。北海道大学を卒業後、社会人生活を経て日本映画学校映像科録音コースに入学。千葉茂樹監督に師事する。2012年、家族の介護のため札幌に戻り、13年に淺野由美子と「動画工房ぞうしま」を設立。主にマイノリティに対する人権侵害をテーマとして映像制作を行なっている。
藤野知明(ふじの・ともあき)
監督作品に長編ドキュメンタリー『とりもどす』(19)、『カムイチェプ サケ漁と先住権』(20)、『アイヌプリ埋葬・二〇一九・トエペッコタン』(21)など。『どうすればよかったか?』(24)は山形国際ドキュメンタリー映画祭[日本プログラム]、台湾国際ドキュメンタリー映画祭、JAPAN CUTS(ニューヨーク)、香港アジア映画祭など国内外で上映される。『遊歩 ノーボーダー』で初めてプロデューサーを務める。現在、『アイヌ先住権とは何か?ラポロアイヌネイションの挑戦(仮)』のほか、サハリンを再取材し、先住民ウィルタ民族の故ダーヒンニェニ・ゲンダーヌさんに関するドキュメンタリーを制作中。 -
イラスト
1980年山形県生まれ。10代から油絵を描くことに没頭。障害者福祉を学ぶために北海道の大学に進学。ジェンダースタディーズと出会う。卒論テーマは、障がいを持つ人の性愛。この時に安積遊歩さんを知る。福祉の仕事を退職し、28歳の時にアートの勉強をするためにニューヨーク州立大学に留学。現在は、北海道江別市で油絵と立体作品を用いて空間表現を行なっている。
藤原千尋(ふじわら・ちひろ) -
音楽
1998年生まれ江戸っ子。東京の大学在学中に障害学のゼミ実習で遊歩さんと初めて出会い彼女の生き様に魅了される。大学卒業後、札幌にいる彼女を訪ねて移住し、ケアの仕事に就く。淺野監督とは映画冒頭の「ドラマシアターども」で出会った。北海道の風景と人々に影響を受け、札幌を中心に音楽活動を始める。本作のエンディング曲「遊歩のうた」には遊歩さんから学んだ「生きる力」への想いを込めた。
はるの
劇場情報
*本作品は日本語字幕付き上映です。
また、『UDCast』方式による視覚障害者用音声ガイドに対応しています。
また、『UDCast』方式による視覚障害者用音声ガイドに対応しています。
劇場イベント情報
東京都|ポレポレ東中野
●5月23日(土)13:50の回上映後 安積遊歩さん(出演者)、淺野由美子監督、藤野知明プロデューサーによる舞台挨拶 ●5月24日(日)13:50の回上映後 安積遊歩さん(出演者)、淺野由美子監督、藤野知明プロデューサーによる舞台挨拶 大阪府|第七藝術劇場
●5月30日(土)12:25の回上映後 淺野由美子監督、藤野知明プロデューサーによる舞台挨拶 *登壇者は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください*
●5月23日(土)13:50の回上映後 安積遊歩さん(出演者)、淺野由美子監督、藤野知明プロデューサーによる舞台挨拶 ●5月24日(日)13:50の回上映後 安積遊歩さん(出演者)、淺野由美子監督、藤野知明プロデューサーによる舞台挨拶 大阪府|第七藝術劇場
●5月30日(土)12:25の回上映後 淺野由美子監督、藤野知明プロデューサーによる舞台挨拶 *登壇者は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください*
2026年5月1日現在
北海道・東北
| 地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
|---|---|---|---|
| 北海道札幌市 | シアターキノ | 011-231-9355 | 6月13日(土)~ |
| 備考 | |||
| 北海道苫小牧市 | シネマ・トーラス | 0144-37-8182 | 近日公開 |
| 備考:月曜定休 | |||
| 宮城県仙台市 | フォーラム仙台 | 022-728-7866 | 近日公開 |
| 備考 | |||
| 山形県山形市 | フォーラム山形 | 023-632-3220 | 近日公開 |
| 備考 | |||
関東
| 地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
|---|---|---|---|
| 東京都中野区 | ポレポレ東中野 | 03-3371-0088 | 5月23日(土)~ |
| [ポレポレ東中野]5/23(土)・5/24(日) 劇場イベント開催 |
|||
| 神奈川県横浜市 | 横浜シネマリン | 045-341-3180 | 6月13日(土)〜 |
| 備考 | |||
| 栃木県小山市 | 小山シネマロブレ | 0285-22-0500 | 5月29日(金)〜6月4日(木) |
| 備考 | |||
| 栃木県宇都宮市 | 宇都宮ヒカリ座 | 028-633-4445 | 8月7日(金)〜8月20日(木) |
| 備考 | |||
| 群馬県高崎市 | シネマテークたかさき | 027-325-1744 | 7月3日(金)〜 |
| 備考 | |||
中部
| 地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
|---|---|---|---|
| 愛知県名古屋市 | ナゴヤキネマ・ノイ | 052-734-7467 | 近日公開 |
| 備考 | |||
| 静岡県静岡市 | 静岡シネ・ギャラリー | 054-250-0283 | 6月19日(金)~7月2日(木) |
| 備考 | |||
| 長野県長野市 | 長野相生座・ロキシー | 026-232-3016 | 近日公開 |
| 備考 | |||
近畿
| 地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
|---|---|---|---|
| 大阪府大阪市 | 第七藝術劇場 | 06-6302-2073 | 5月30日(土)~ |
| [第七藝術劇場]5/30(土) 劇場イベント開催 |
|||
| 京都府京都市 | 京都シネマ | 075-353-4723 | 6月5日(金)~ |
| 備考 | |||
| 兵庫県神戸市 | 元町映画館 | 078-366-2636 | 近日公開 |
| 備考 | |||
中国・四国
| 地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
|---|---|---|---|
| 広島県広島市 | 横川シネマ | 082-231-1001 | 近日公開 |
| 備考 | |||
九州・沖縄
| 地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
|---|---|---|---|
| 福岡県福岡市 | KBCシネマ1・2 | 092-751-4268 | 近日公開 |
| 備考 | |||
| 沖縄県那覇市 | 桜坂劇場 | 098-860-9555 | 6月20日(土)〜7月3日(金) |
| 備考 | |||











コメント
生きて、恋して、闘って。何十年も前から「多様性」もフェミニズムもすべて先取りしていたパンクな姐さん! そんな遊歩さんのめくるめく世界、ぜひ、体験してほしい。絶対楽しいから!!
作家
この、どうしようもないくらいにどうしようもない男社会に、ガチガチのゴリゴリに凝り固まった健常者社会に、傷つき疲れた人にこそ、この映画を見てほしい。 今を生きてる自分のことを、見る前よりも好きになれる気がする。
早稲田大学文学学術院教授、作家、文学者
今なお続く差別との“闘争(ふれあい)”。
映画は社会運動と生活がボーダレスであることを映す。
遊歩さんは、語り口もさることながら、立ち居振る舞いも魅力的だ。
横になって果物を食べる、飛行機の乗り方と、長年この体と対話し編み出された“生きる技”。
「あなたはあなたで一番いいに決まってる。私は私で一番いいに決まってる。」
私の体が“好き”との強い思いがあれば、どんなところにだって行ける!
映像作家
生きることは、すばらしいことも、つらいこともある。自分とまわりを比べ、自分を追い詰めてしまったり、まわりの人を否定してしまったり。力を持つ人たちが、勝手に作ったルールに、気づかないうちに縛られてしまう。それは障害がある人だけでなく、障害がなくても、生きづらさや、苦しみを抱える。でも遊歩は自分の苦しさを声に出し、生き延びるため、あらゆる人とつながり、やりたいことを諦めない。
ノーボーダー遊歩!そんな彼女の生き方にふれると、あなたも少しずつ自分の力を取り戻し、人と繋がることを求め、毎日が豊かになるでしょう。誰もが自分を大切にし、対等に生きられる毎日を、遊歩と一緒にめざしませんか?
コラムニスト
「どうすればよかったか?」チームが手掛ける「こうすれば良いんだよ!」な道標的ドキュメンタリー。男社会にそびえる壁も他者の心にある壁も、軽やかに飛び越え変化を促してきた女性の軌跡。その連帯と変化の波はスクリーン越しの我々にも伝播する。遊歩さんという被写体ひとりにこうも心を掴まれるとは!
ライター
安積遊歩さんは生ける障害者自立運動史だ。からだを張って、ありとあらゆるボーダーを乗り越えてきた。
生きていてよかったと思えたから、同じように障害を持つ子どもを生むことにためらわなかった。
彼女が切り拓いた道を、あとから来た者たちが歩いて行く。
社会学者
「人が間違うのはゆるすため」という遊歩さんの優しさは、強さ。その自由な言動が爽快。
なぜ女性は、障がい者は、力がない者は、下を向いて黙っていなければいけないと思いこまされているのか、そういう思いこみに大きな風穴を開けてくれる映画です。
ライター
ひとりでボーダーを見つめても何も変わらない。共に語らい、歩き、ケンカし、食事をする。そうして私たちを隔てるボーダーを共に見つめることで、初めて、ボーダーは未来を拓く道となる。
安積遊歩さんの生涯が、その道そのものだった。
写真家
正直、観る前は「障碍のある発信者」と聞いて、どこか構えていた。けれど映画を通して見えてきた遊歩さんは、他者との距離の取り方が軽やかで、対等に関わろうとする意志が自然と感じられた。それはおそらく、最初から備わっていたものに加え、出産という経験も含めた時間の積み重ねの中で形づくられてきたのだと伝わってくる爽やかな映画だった。今では、彼女と話してみたくなっている。
ポレポレ東中野代表
遊歩さんが妊娠したことをお話しし始めたとき、衝撃を受けた。可能なのだろうか?とまず思った。
映画の中の遊歩さんの姿は、私のまなざしが差別的なものであることを突き返す。 冒頭で遊歩さんが言っていた「許されるために間違う」という言葉に甘えさせていただき、私のまなざしの間違いにしっかり向き合わなければいけない。
詩と言葉のアーティスト
遊歩さんが生きて、抗って、失敗して、それでもなお闘って、経験して得た言葉がたくさん語られ、それに背中を押したり手を引っぱってもらう。実際の遊歩さんは大勢の人に抱きかかえられたりおんぶされたりして日々を暮らす。絶望し、生きる場所を見失ったことも。だけど、すごいね。人はそこから立ち上がり、こうしていっぱい力をくれるんだ。闘い方ってのも教えてくれる。よっしゃー! 私もやるよ! 間違えてもいいんだよね。
ライター